映画「パラサイト 半地下の家族」感想&考察(ネタバレありとなし)

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最高の就職先(パラサイト)には、誰も知らない秘密があった……

鬼才ポン・ジュノ監督最新作!カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した注目作「パラサイト 半地下の家族」を感想&考察します!

第一部(ネタバレなし)

個人的感想「微妙…」

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先に個人的な感想から。微妙でした……。

「大どんでん返し」という触れ込みでしたが、そこまで驚く展開でもなく、オチも予想通り。作品内の淀んだ雰囲気や突如挟まれるネットリした性的描写など、気分が悪くなりながら鑑賞を終えました。

私が観た先行上映では、上映前に監督やキャストからのメッセージがあり、「ネタバレ厳禁です!」「どんでん返しあり!」という声があったンですが、うーん……そこまでの展開ではなかったデス……

半地下家族が富裕家族を騙す

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大筋は、半地下で暮らす貧困家族が、富裕家族を騙して、彼らに雇ってもらうという内容。

見事豪邸で働くことができた貧困家族ですが、この豪邸には誰も知らない秘密が隠されていて……というのが「大どんでん返し」部分。

この二つの家族を対比させ、中盤で絡み合うことで、格差社会の闇を描くというのが主要テーマなのでしょう。思えばポンジュノ作品全てに共通する主題……というか韓国映画全てに通じるメッセージ性だと思います。

私は韓国映画自体は大好きで、「殺人の告白」や「ベテラン」といった韓流エンタメをよく観ます。それらにも格差社会は描かれるンですがそこまで深くは突っ込まれない。
しかし本作はそれが主題なのでグリグリ描かれていきます。ゆえに映画内には気持ちの悪い空気が終始漂う。

しかも後味悪い系作品で知られるポンジュノ監督なのでその気持ち悪さに拍車がかかる。

観てて本当にツラかったです(汗)

第二部(ネタバレあり)

豪邸の地下に潜むもの

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中盤、豪邸には地下室があり、そこには元家政婦の旦那が潜んでいました。

罪を犯したためここに身を隠しており、妻である元家政婦が冷蔵庫から食材をくすねては彼に与えていたのだとか。

これがおそらく「どんでん返し」パート。

しかしですね、「半地下の家族」って副題になってるンで、「この豪邸の下に人が住んでるとか?」って途中から予想できてしまうんですよね……。

その後、貧困家族の企みが家政婦夫妻にバレたことで、貧困家族は二人を地下に監禁。

しかし地下から脱出した夫が貧困家族に向かいナイフ片手に追いかける。なんとか夫を殺し解決……と思いきや、富裕家族の夫が「貧困層の香り」に思わず鼻をつまみ、その光景を見た貧困家族の夫が富裕家族の夫を殺害。

貧困家族の夫は豪邸の地下に身を隠します。

それを知った貧困家族の息子は、金を稼いで豪邸を買い取ることを決意する……で幕を閉じます。

元家政婦夫が不気味な笑みを浮かべて追いかけてくる場面は「シャイニング」を彷彿しました。階段下からニュっと顔が出てくるシーンなんかは、シャイニングのラストショットを思い出しました。

芸術的な絵面

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本作の特徴の一つとして、凝った絵づくりが挙げられます。

例えば、前述した元家政婦の夫が追いかけてくるシーン。

晴天の下、豪邸の庭で開かれるパーティの最中に巻き起こる惨殺劇。阿鼻叫喚の富裕層たちと、殺しあう貧困層たち。晴天という「平和」の中を舞う鮮血というシークエンスはまるで絵画のよう。

中盤にある「小便VSバケツの水」シーンも芸術的でしたね(笑)アスファルトの上、宵闇の下、小便をかける男と、バケツの水をかけて応戦する貧困家族をスローモーションで切り取る。ポンジュノらしい演出です。

他にも、雨が降り注ぐ曇天の下、小さなテントが設置されているシーンといった、「シンメトリー描写」が多く盛り込まれているのも特徴です。

こうした芸術的な絵づくりも、カンヌで絶賛された理由のひとつかもしれないですね。

総論:全体の展開とオチについて

本作の「全体の展開」は、スローとスピーデイが交錯します。

じっくり、ねっとりした演出が続いたかと思えば、突如激しいホラー描写が始まり、その後またもやスローで淀んだシーン。これが個人的にはかなり酔いましたね(汗)

ポンジュノ独特の空気が自分には合わなかったです。

終始拒否反応を起こしていました……(汗)

そして、ラストについて。

序盤は貧困家族がとにかく下劣で最低で、純粋に騙されていく富裕家族に口惜しさを感じる演出が続きますが、終盤は貧困家族に同情的な視点になり、最後は「待っててね、お父さん」的なハートフルパパドラマのような着地で幕を閉じます。

コレ、一番の被害者は富裕家族なわけですよ。

なのに終盤から彼らは一切描かれず、出ることもなく、救われずに終わって、最後は貧困家族にだけ希望持たせてエンド!が納得いかなかったです。

格差社会を描くにあたって貧困層側に同情的な展開になるのはわかりますが、今回の貧困家族はただの貧しい家族じゃないですから!詐欺集団ですから!(怒)しかも富裕家族は何も悪いことしてないし、むしろ良い人ばっかりなんすよ!あまりに救われない。

というわけで、個人的にはちょっとガッカリ……でしたが、議論しがいのある問題作!であり話題作になることは間違いなし!だと思うンで、一見の価値ありです!

以上、映画「パラサイト 半地下の家族」感想&考察でした!

画像出典:(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

コメント

  1. カブスカウト より:

    単純な善悪二元論でいい悪いを決めるような人には向かない映画なんじゃないですか
    富裕層家族を悪者に描かなかったのも、人の心を省みない金持ちが悪い!
    っていう単純な構造じゃなく格差社会自体が無意識にもいらぬ軋轢を生み出してるってことにしたかったんだと思いますし

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