映画「ミッションインポッシブル/フォールアウト」感想&考察(ネタバレなし)

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そのトムクルーズ、スパイにつき。

大ヒットシリーズ「ミッションインポッシブル」の6作目「フォールアウト」をご紹介します!(ネタバレなしです)

トムとマッカリー

「ミッションインポッシブルって、軽快な音楽がウリの大作娯楽アクションでしょ?」

うむ、いや確かに娯楽大作アクションではあるんですが、

その内実は、「80年代映画愛に満ちた硬派なハードボイルドムービー」なのです!

この作風が顕著になり始めたのが、前作「ローグネイション」。

それまで軽めなタッチとリアリティ度外視のギミックが目立っていた本シリーズでしたが、ローグネイションから一変。トム演じるイーサンハントが血肉を削り仲間とともに戦うハードボイルド路線へ変更。

ローグネイションでメガホンを取ったのは、「ユージュアルサスペクツ」で脚本を務めたクリストファーマッカリー

この監督の特徴は「80年代アクションのオマージュ爆発!

ダーティハリーはもちろん、「知りすぎていた男」といったクラシックを彷彿させる硬派な演出と展開づくりに定評がある監督。

彼がトムと最初に組んだ仕事は映画「アウトロー」。こちらもガッチガチに硬派な作風が魅力です!

アウトローの私のレビューはこちら↓

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ここで、「生身スタントをやりたいトム」と「硬派アクションが得意のマッカリー」という二人の相性の良さを感じたトムは、以降主演作のブレーンとしてマッカリーを起用。そして遂にローグネイションで監督を担うに至ったのです。

ローグネイションの出来と評判の良さもあって、次作でもマッカリーを起用すると発表。そして製作されたのが本作「フォールアウト」なのです。

ド迫力の生身スタント

本作最大の魅力は、出演者たちの生身スタント。

これがもうド迫力。昨今のCGや爆発演出を多用して生み出す迫力に対し、「生身でも迫力は作れるぜ!」とでも言わんばかりの血肉削るアクションは圧巻。

凱旋門前でバイク逆走

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(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

トムがヘルメットなしでパリの街をバイクで逆走。目の前から走っては消える車たちの隙間を猛スピードで駆け抜けるトム。ぶ、ぶつかる!と冷や汗をかきながら観てました。で、実際ぶつかってしまいます(汗)

ボンネットにぶつかり勢いよく投げ飛ばされるトム──呻き声をあげながら立ち上がり、足を引きずり立ち去ります。身体中アザだらけな姿を想起せざるを得ない衝撃シーンです。

トイレで格闘

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(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

敵であるアジア人男性がトイレに入ったタイミングで、トム演じるイーサンとオーガスト(ヘンリー・カヴィル)が襲いかかります──が、この敵がめっぽう強く、カンフーアクションで応戦。身体をぶつけ合い格闘を繰り広げます。

マジでぶつけ合っているからこその迫力。

そして音!ゴツ、ゴツという骨の軋みを響かせながら、苦悶の表情を浮かべ立ち向かうイーサンとオーガスト。途中、イーサンの喉に蹴りが入るシーンがあるンですがマジで苦しそうで……よくやるよ(汗)

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(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

オーガストを演じたヘンリーカヴィルはインタビューで「スーパーマンの撮影より大変だった」と過酷な現場の様子を話しています。

着地したりパンチしたりした時に、「ヤバい、今痛かったぞ、マズいぞ」っていうことは何回もありました。そういう時は、バレないようにこっそり去って、隠れてストレッチするんです。もし怪我をしていたら、医療スタッフが飛んできて検査されて、瞳孔をライトで照らされたりしますからね。それはマズい。だから大人しくしておいて、そのまま撮影を続行するんです。「これ以上悪くなるなよ…」って祈りながらね(笑)。(『ミッションイン:ポッシブル/フォールアウト』オーガスト・ウォーカー役ヘンリー・カヴィルへインタビュー ─ 激しすぎて「泥のように寝た」 | THE RIVERより)

100回スカイダイビング!

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(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

上空8000mから誤ってダイブしてしまったイーサンが、気絶したまま空を舞うオーガストを救うため四苦八苦する……という場面。

撮影時は100回ダイブしたそうです(汗)

映画におけるスカイダイビングシーンは数多くありますが、本作では出演者自身が空を舞う。それだけでも驚きなのに、今回のダイブはHigh Altitude Low Open(高高度降下低高度開傘)」=通称HALO(ヘイロー)ジャンプと呼ばれる、豪速球で最上空から落下するダイビングとなっています。

低酸素症と減圧症に耐えうる身体をつくるべく、トレーニングを重ねたトム。

本作のため開発された特製ヘルメットを用いて撮影が行われたそうです。

ダイブのメイキング映像はこちら↓

この場面、長回し撮影も相まって超ド迫力。

CGなしの生身アクションによるリアリティがその迫力を更に押し上げます。

駆けるトム

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(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

シリーズ通してお馴染みの「走るトム」。

本作でも、ビルの上や街のなかを必死の形相で駆け抜けます。

そして終盤。走りながらビルからビルへ飛び映る──はずが失敗!向かいのビルに身体を激しくぶつけ、ビルの屋上端を掴みぶら下がるトム。何とかよじ登り屋上に着きまた走り去る──というシーンがあるのですが、この撮影でトムは足を骨折。しかしそのまま撮影は続行され、足を引きずり歩くトムのカットが続きます。

その場面はそのまま起用。

私たちは大スクリーンで人が骨折する姿を鑑賞することに……

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(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

その後、驚異の回復力で現場復帰し数々のスタントをこなしたトム。

こうして出来上がったのが本作「フォールアウト」なのです。ホントお疲れトム!(涙)

この血泥にまみれて身体を張る姿こそ、本作の白眉であり、観客が心を震わせる点。

面白い作品を届けるため、興奮と感動を生む映画を生み出すためにボロボロになりながら身を削るトムの姿は、「ロッキーザファイナル」で老体にムチ打ちリングへ上がるスタローンを彷彿させます。

最大の敵との一騎打ち

終盤。「最大の敵」とイーサンが崖の上で一騎打ち!

打楽器の音楽とともに、二人が身体をぶつけ合います。

この「最後は一騎打ち展開」、非常に80年代アクションっぽいシークエンス。アウトローでも最後は雨のなかムキ田ムキ男が一騎打ちでエンドだったンで、マッカリー作品お馴染みの名場面です。

そして格闘の末、イーサンは崖から落下してしまいます──が何とかしがみつき難を逃れ、よじ登ります。

コレ、シリーズ2作目のOPにあったロッククライミングシーンと対になる描写。シリーズ中最も微妙な出来だった2作目の掴みを活かすことで、人生で無駄なことはひとつもない」という本作のテーマを更に浮き彫りにさせるという粋な計らい!

マッカリーさん、一生ついていきます!(涙)

荒削りなストーリー、だがそれが良い!

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(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

肝心のストーリーですが、かなり荒削りです(笑)

緻密な心理戦と綺麗な大円団で幕を閉じた前作と比べると大ざっぱな印象は否めません……が、そのぶんアクションはパワーアップ!最後のハラハラ展開も見事です。

マッカリー監督曰く、「最初にアクションシーンを列挙し、それに合わせたストーリーを考えていった」とのことなので、アクション重視の内容になっているのだと思います。

しかしですね、この荒削りさが逆に迫力を生んでいるンです。

「アウトロー」でもそうでしたが、いびつな構造であるがゆえの愛おしさというか、「これもやりたい!あれもやりたい!」を詰め込むがあまりのアンバランスさに惹かれる部分がありまして(笑)

しかも荒削りとはいえ、「イーサンと妻」という裏テーマを見事に描き切り、ラストの「トム笑顔」でシメてエンドクレジット!デーンデデン♪の流れは「ひゃっほい!」とならざるを得ないキレ味でございます。

というわけで、傑作ハードボイルド映画「ミッションインポッシブル/フォールアウト」、未鑑賞の方は是非、ご鑑賞くださいませ!

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