映画「仁義なき戦い 広島死闘篇」感想&考察(ネタバレありとなし)

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一人残らず、ぶち殺したるど──!

ヤクザの任侠劇を描いた、深作欣二監督の人気シリーズ「仁義なき戦い」。

今回はシリーズ屈指の名作であり、抗争を通じて「戦争」を描いた「広島死闘篇」を感想&考察します!

※終盤以降にラストのネタバレしますので、その際は「ネタバレします!」と事前に記載します!

リアリティ度外視!漫画的楽しさのヤクザムービー!

仁義なき戦い 広島死闘篇(予告編)

ヤクザ映画って、なんかとっつきずらい。

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そんな方にもぜひ観ていただきたい!

なぜかというと、本作、非常に漫画的なんですよね。

リアル度外視の個性派キャラ、非現実的なヤクザたち(酒飲んで喧嘩してるだけ!こんなんで組織回らんやろがい!)

なので、抗争劇に興味がなくても、オモローなキャラと物語の勢いでグイグイ引き込まれていきます。

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コレ、北野武監督の「アウトレイジ」と真逆のつくりですよね。

「アウトレイジ」のヤクザは超リアル。暴力で制してきた人間は淘汰され、上に立つのは知性溢れる「インテリヤクザ」。喧嘩も少なく、殺すときは淡々と計算高く殺す。

そのなかにいるのが、「仁義を貫く昔ながらのヤクザ」である主人公・大友(北野武)。

「仁義もクソもないヤクザ社会」のなかに「昔ながらの仁義を貫くヤクザ」がいるというこの対比構造が面白いのがアウトレイジでした。

それでいうと仁義なき戦いは後者の人間しかいない。

なので、やってることは最低最悪なンですが、みんな心根が真っ直ぐなので、少年漫画的な爽快感があるンですよね。

映画に綺麗さはいらない

前述したように、本作はとにかく勢い重視!

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丁寧な舞台説明やキャラ紹介はありません。

死が描かれる時もじっくり見せるのではなく、「〇〇死亡!」とテロップが出て終わり。

怒涛のように物語が展開し、その度キャラたちは怒り、泣き、笑う。

観客はそれに飲まれて気づけばエンドクレジット。

コレ、人によっては「説明不足」に感じるかもしれません。

つくりとしては非常に荒い。

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しかし、そもそも映画において「綺麗なつくり」は大切なのでしょうか……?

映画は文字通り「画を映す」もの。物語や構成はそれを補う存在。

つまり、画>構成>物語、と思うワケです。

三者ともバランスよく含まれているものを「綺麗」とする意見もありますが、私としては「ええい!綺麗とかどうでもよか!映画は画で引き込ませてこそ映画じゃろがい!」と思うわけです。

その点、とにかく本作は画で見せる。

飛び散る鮮血、男たちのイカツイ表情のアップ、漫画的なカット割りと怒涛のアクション!

これぞ映画じゃろがい!という深作欣二の声が聞こえてくるような、エネルギッシュな作品になっております。

笑いと悲哀に満ちた名シーン

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私が本作で最も好きなシーンが、焼肉の場面。

広能組組長の昌三(菅原文太)が子分が準備した焼肉をみんなで食べている。

すると窓の外から犬の喚き声。

鬱陶しそうな顔の昌三。

彼は肉を犬に放り投げますが、犬は食べようとしない。

何かおかしい。

子分の顔を見る昌三。俯く子分。

「おめえら……犬の肉じゃねえか!

ブチギレる昌三。

フツーの肉は買えない貧しさという「悲哀」と、だからって犬の肉食わすなよ!というトンデモ発想の「笑い」が入り混じった傑作シーンデス。

若者ヤクザの末路と「戦争」

※以下、ラスト含めネタバレします。

「広島死闘篇」で主人公となるのが、若衆の山中正治(北大路欣也)。

妻の靖子(梶芽衣子)との間に子どもも出来た山中。ある日彼は大友組からリンチを受けたことで、彼らへの復讐を決意。

自身が加入している村岡組から背中を押されながら、抗争に身を投じていきます。

結果、何人もの人を殺し、無期懲役の刑で服役。

毎日死んだような顔で、ヨダレを垂らし生きる山中。妻子は悲痛に喚き泣く。

耐えられず脱獄する山中。

しかし戻った山中に対し、村岡組のメンツはなんだか冷たい。「まあ、助けたいけど、でもねえ……」という煮え切らない態度。

山中は仕方なく逃げ走る。

淀んだ空から降りしきる雨粒。警官から逃げる山中。

ついに観念した彼は、口のなかに銃口を突っ込み、引き金を引きます。

その後映されるのは彼の墓。

「山中はヤクザの世界で英雄になった」のアナウンス。

しかし、その墓はボロっちく、とても英雄のそれには思えない。

「しかし、彼の墓に見舞いにくる人はいない」

カメラがゆっくりズームアウト。映る原爆ドーム。

若者の死によって、組と抗争は拡大した

このシークエンスは明らかに「戦争」への皮肉。

次々と戦地に投じられていく若者たち。しかし、それで得をするのは若者ではなく、オトナたち。

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こうして国や戦争は拡大成長していったわけです。

戦争の惨さ、理不尽さを経験した深作欣二らしいメッセージです。

というわけで以上、映画「仁義なき戦い 広島死闘篇」レビューでした!

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